ウイルス増殖抑制作用
「シアル酸」には、ウイルスや菌類と結合する性質があります。
その働きにより、病原ウイルスや病原菌からの感染を予防できる効果が期待できます。
「シアル酸」は、病原体が体内に侵入したとき、即座に察知し、免疫細胞に情報を伝達し、病原体を除去するように指令を出します。
特に「インフルエンザウイルス」には、「シアル酸」が有効である報告があり、抗インフルエンザ薬「リレンザ」は、「シアル酸」から生成された薬剤です。
◆プラーク形成抑制試験
【試験法】
細胞にウイルスを感染させた後、検体を添加した培地を加え、
ウイルスの増殖によるプラーク形成の抑制効果を調べた。
培養後、対照(検体未添加)プラーク形成阻害活性を"0%"として、
試験品の阻害率を算出。
【対象ウイルス】
◇ネコカリシウイルス(Feline calicivirus:FCV)
※ノロウイルス代替ウイルス
◇ネココロナウイルス(Feline enteric coronavirus:FECV)
※SARSウイルス代替ウイルス
【試験結果】
◇ネコカリシウイルス(Feline calicivirus:FCV)
※ノロウイルス代替ウイルス
4倍希釈で、プラーク形成阻害活性が確認された。
この試験結果から、プラーク形成阻害に濃度依存性が確認され、
ノロウイルスの増殖抑制があると判断できる。
◇ネココロナウイルス(Feline enteric coronavirus:FECV)
※SARSウイルス代替ウイルス
濃度依存性は確認できなかった。
4倍〜16倍希釈では、プラークのサイズに変化はなかったが、
形成が不良であった。
この試験結果の傾向から、ウイルスが細胞内での増殖を抑制し、
細胞からの放出を抑制していることが示唆される。